第3章 もう我慢できない… *裏
ーSide 夏美ー
「ん、んんー。」
私は目が覚めると両手を伸ばし背伸びをする。カズ君はスヤスヤと気持ち良さそうに眠っていた。
あれから2人同時に寝てしまったのか、私達は繋がったままだった。
しかもカズ君はがっちり私をホールドしているし、彼が起きないことにはどうしようもない。
「…疲れちゃったよね、カズ君。」
だから、愛しい彼氏の寝顔を見ながら先ほどの行為を振り返る。
カズ君は私の過去を知ったにも関わらず、受け入れそのまま私を大事にして付き合ってくれた。今迄ずっと私のために我慢してたのかと思うと、更に愛しくなり好きで堪らなくなった…。
そんな人に自分を求められたら、トラウマなんか消えていく気がして、とうとう私はカズ君と繋がる決意をした。
戸惑う私を彼は精一杯優しく愛撫してくれ、いつの間にか快感を感じるようになる。
段々自分でも聞いたことのない高い声を出すとカズ君はとても嬉しそうだったし、私自身もこんなにエッチが気持ちいいなんて思いもしなかった。
途中、意識が飛んだ感覚があったんだけど、あれが“イく”ってことだったのかな?
あの感覚は下手したらクセになりそうだ。
それに、カズ君に私の“初めて”をあげることができて本当に幸せ……。
あの時お兄ちゃんが助けに来てくれて本当によかった……。
今日で始めて世のカップル達がこの行為に及ぶのかわかった気がする。
愛する人となら、体だけじゃなくて心も繋がって、更に結びつきを強くさせるんだね…。それに今まであった事を含めて私達は繋がる運命だったのかな?
なんて乙女いた事を考えちゃったり。
私は口元を緩ませ、彼の顔に近づいて静かに起こさないように囁いた。
「カズ君、大好き。これからもよろしくね…。」
そして彼の頬に触れるだけのキスをする。
…でもカズ君がタイミングよく起きてしまった。
「…んん、むにゃむにゃ。あら、夏美起きてたのかよ。」
勿論恥ずかしいから、勢いよく後退る。