第3章 もう我慢できない… *裏
ーSide 高尾ー
あれから同時に2人で果てて、暫く眠りについたところで、俺の頬に何かが触れたような気がして目が覚める。
「…んん、むにゃむにゃ。あら、夏美起きてたのかよ。」
いきなり後ずさる夏美。きっと俺になんかしたな。
俺はニヤニヤしながら彼女に尋ねる。
「…なあ、お前。俺のほっぺになんかしたろ?」
「知らないなあ!気のせいじゃない?」
夏美はそっぽを向きながら赤面し、どうやら誤魔化している様子だ。
あの感触からして多分夏美の唇だろう。
(俺が寝ている隙をついてキスしてたな、こいつ。可愛いんだけどさ、どうせなら唇にして欲しかったわ。)
俺は夏美をいじめてやろうとニヤニヤする。
「じゃあ、正直に言わねーとずっとこのまんまだぜ?」
「…そ、そんなの困るに決まってんでしょ!?」
夏美は俺から離れようと必死になるが、俺ががっちりと抱き締めてるから、彼女の抵抗は虚しく終わる。
「…もう、離してってば!」
「…俺ん家さ、明日の昼までに誰もいないんだよ。俺はこのまま、ずっといたいんだけどさ。
でもお前ん家は門限あるし、辰也さんがいるだろ?
無断外泊なんかしたら辰也さんに俺しめられちまうぜ。」
夏美はさっと血の気が引くような顔をする。
まあ、マジであの人ならやりかねないしな。
夏美は観念したのか恥ずかしそうに目を俯きながら答えた。
「…はい、私、カズ君のほっぺにチューしました。」