第3章 もう我慢できない… *裏
「ねぇ、カズ君。」
「どした、夏美?」
落ち着いた様子の彼女は何故か決心したように俺を見つめた。
「…全く怖くないといえば嘘になる。けど、だんだんカズ君と過ごしていくうちに、カズ君となら、大丈夫じゃないかって思うようになってきた。」
(へ、マジ?それ、信じていいの!?)
俺は淡い期待を胸に込めながら平静を装い、夏美の話に耳を傾ける。
「…私、今までずっとカズ君に優しくしてもらってた。我儘だって言った。だから、私、カズ君が望むことしてあげたいの…。」
「…夏美、お前。」
(やべえ、そんな事言われたら、もう俺…。)
俺は夏美の言葉に半信半疑になりながら目を見開いていると、彼女はすすり泣きながらまた俺の胸元に顔を埋めた。
「…それに、お願い!!カズ君の手であいつを忘れさせて…!」
そして、俺の理性がプツンと切れる音がした。
だけど、何故かいやに冷静なのが不思議だ。俺は獣のように息を荒くして夏美の耳元に囁く。
「…本当にいいんだな?」
「…うん。お願い…。」
オネガイ。
その一言が俺の脳天を一気に刺激して、すぐに俺は夏美を抱きかかえ自分のベッドへ腰をかけさせる。
夏美は頬を赤らめたまま、俺を不安気に見つめていた。
「…大丈夫、優しくすっから。」
精一杯優しく囁いて、夏美の両頬に手を添えゆっくりと顔を近付ける。
彼女は何も言わず目を閉じ、俺も同じようにして唇を重ね合わせた。
さっきと同じように上唇や下唇を交互に啄ばみ、あえていやらしく音を立てる。