第3章 もう我慢できない… *裏
「ぷ、夏美、めちゃくちゃカスついてんぞ。」
「うそん!」
彼女は咄嗟に指で拭おうとするけど、俺はその手を捕まえた。彼女は一気に赤面して俺を見つめる。
(まじ、可愛すぎ。こんな手に引っかかるなんてよ。)
「…今から俺が拭いてやるから、じっとしてな。」
「え、ちょっと、カズく…!んん!」
空いてる手で夏美の頭を押さえ付け、目を閉じ、一気に唇を重ね合わせた。
音を立てて、上唇を啄ばみ、柔らかい唇の感触を楽しむ。
クッキーで若干ザラザラしてるけど、そんなの関係ない。
(むしろ、こっちのクッキーの方が好きかも。…なーんてな。)
我ながら変態な事を考え、タイミングを見て舌を入れる。
彼女の舌と自分の舌を絡めていやらしい水音を出し、お互いの息が続くまでキスを続ける。
「…んふう。んー。」
「ん、んん。」
しかも逃げることなく俺の舌と絡めてくれたことが益々俺を興奮させた。
(夏美のやつ、なんだかんだいって慣れてきたな。
…もう無理かも。…やりてぇ。)
「…はあ、はあ、カズ君。」
そして、唇を離すとお互いの唾液が名残惜しく糸を引き、俺達は荒い息遣いをしながら互いを見つめ合う。
「…はあ、はあ。夏美。もう、俺我慢できない。」
夏美は息を吐きながら顔を赤くし、潤った目で俺を見つめたままだ。
(もう1年経ったんだぜ。マジで自分を褒めてやりたいぐらいだよ。)
何も言わない夏美に俺は痺れを切らし、耳元に顔を近づけ獣のように囁いた。
「…嫌なら今のうちに言うんだ。じゃねーと、もう、抱いちまうぜ。」
「…カズ君、あたし。」
肩を震わせ切なそうな声を上げる夏美の顔を見ると、頬を赤らめ、目に溜まった涙が頬を伝っていて、一瞬で欲望から目が覚めた。
(くそ、何やってんだ俺は!?)
「…!わりい!」
「待って、違うの!…話を聞いて。」
目を逸らし謝る俺の手を夏美は握る。