第3章 もう我慢できない… *裏
ーSide 高尾ー
俺達は2、3時間は集中して勉強を続けるも気が散ってお菓子を食べ始める。そして夏美がテーブルに突っ伏した。
「あーもー!なんで、日本の英語ってこんなに堅苦しいの!?てか問いの意味がわけわかんない!」
夏美は帰国子女なのに英文法が苦手だ。実際の会話とのギャップが激しいんだろうな。
てか、今迄夏美が英語を喋る時は中学で習った単語と文法しか使っていない気がする。
で、文句をいいながら俺を下から見上げる夏美。
なんでだろ、同んなじ文句でも夏美が言うと可愛く思えるのは。
やっぱり相当こいつにベタ惚れしてることを再確認し、口元を緩ませて夏美を宥める。
「へいへい、文句言わねーの。俺が教えてやっから、夏美。」
夏美の質問を全て手取り足取り教えると、彼女は満足したのか背伸びしてスッキリしたような顔をする。
「ありがと、カズ君!すごいわかりやすかったよ!」
「いや〜それほどでも〜。」
褒められてすっかり鼻の下が伸びて、俺はタジタジ。
「あ、そうだ!クッキー焼いてきたんだよ!お腹空いたし、食べない?」
夏美は思い出したように両手を叩き、カバンをゴソゴソと探しながら俺に尋ねる。
「まぢ!?やったぜ!サンキューな、夏美!」
彼女は可愛らしいラッピング袋を取り出し、テーブルに置いてある皿にクッキーを出していいか聞かれて俺は勿論OKをする。
「…うっまそー!!ほんじゃいただきまーす!」
「じゃああたしも。」
2人で同時に音を立てながらクッキーを味わう。サクサク感とバターの加減が絶妙で舌がうなった。
「…うっめー!!もう一枚食っていい?」
「いいよ、いっぱい食べてね!」
夏美は嬉しそうに言うと俺は遠慮なくもう一枚食う。
食い終わって、夏美の口元を見るとクッキーのかすでいっぱいになり、ニヤニヤしながらじっと唇を見た。