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300Kmと0㎝

第3章 何も知らない猛獣は




赤葦

遅かった。
ずっとずっと遅かった。
なにも知らない彼よりも、俺は遅かったんだ。
彼女のことをもっと見るべきだった。
いつか誰かが言った言葉。

『大事なものから、目を離してはいけない。
その一瞬でなくなくってしまうかもしれないから。』

本当にその通りだった。
もっと俺が、しっかりしていれば…
後悔だけが残っている。


うまく働かない頭で考えてみる。
彼女はリエーフとでてきた。
何かあった相手とあんな風に出てくるとは思わない。

まだ、誰かいる。

彼ら以外、誰ともすれ違っていない。

どうするわけでもないが、会いに行くことにした。

もう誰だかわかっていたような気もしたが、
彼が来た道を戻った。

ちゃんと全てを知るために。






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