第13章 見つめる先にあるものは
藍蘭
トンッ
キュキュッ
ダダンッ!
どこかの体育館から聞こえる
音だけで気持ちの良いスパイクが目に浮かぶ。
ガッツポーズを決める木兎さんや
ブロックに着く鉄郎の悔しそうな顔とか
疲れて文句を言いつつしっかり付き合ってあげる
赤葦さんの姿。
どれも目に浮かぶ。
いろいろ考えながら向かうと
第三体育館の近くまで来ていた。
体育館の入り口には、なんだか
とってつけたような笑顔の月島くん。
…に声をかける木兎さんと鉄郎。
何か話しているようだ。
話している途中ならと思い立ち止まると、
不意に木兎さんが振り向く。
木「藍蘭ー!」
弾かれたように皆の視線がこちらへ向く。
おずおずと、足を運び月島くんの隣で立ち止まる。
黒「藍蘭、隠れようとしてたんじゃないの??」
なんて、意地の悪い笑みと言葉に、
藍蘭「話の途中に出て行くのもどうかと
判断してのことです。隠れてなんかいません。」
って、言い返してみた。
木「そんなことよりさー
メガネくん説得してよ、藍蘭ー」
月島くんを見ると眉を潜めて、外を見てる。
赤葦さんの限度がない、という言葉に
眉間のシワがさらに深くなる。
そんな彼をどう説得させるのだというのだろうか。