第13章 見つめる先にあるものは
藍蘭
本日何本目かわからない坂ダッシュ。
黒尾さん…鉄郎曰く
黒「森然限定・爽やか裏山深緑坂道ダッシュ」
だそうだ。
体育館の裏山を活用というが、
選手達には相当きついだろう。
戻ってきた選手達にスポーツドリンクとタオルを渡す。
藍蘭「ゆっくり飲んでください!」
みんなに聞こえるように声をかける。
汗を拭きながら、乾いた喉にグッとドリンクを流し込む選手達。
それぞれつかの間の休息を過ごす。
この暑さの中、試合→ペナルティ→試合→‥‥
と続けているのだから、もっと休ませてあげたいと思うが、
この辛さが強くなるために必要だというなら
彼らはきっと辛い道を選ぶだろう。
だから、容易に甘い言葉などかけられない。
口から小さな呟きが漏れた。
藍蘭「まけるな、みんな。」
急にみんな振り向く。
澤「当たり前だろ。」
菅「そろそろ勝ってもいいかな、なんて。」
東「ペナルティだけは避けたいなぁ…」
田「そろそろいいとこ見せます!」
西「カッコいいところ見せますよ!」
縁「先輩達に無理させたくないですしね。」
日「点数決めてきます!」
影「負けさせません!!」
月「負け続きには、なりたくないですし。」
山「頑張ってきます!」
藍蘭「がんばれっ!」
気がつけば声が出ていた。
澤「行くぞ!」
全「オース!!!!」