第12章 苦さと、甘さと
No Side
到着の約45分前。
丁度にアラーム音が鳴り響く。
目を覚ました藍蘭は、部員に声を掛ける。
藍蘭「起きてくださーい。」
まず近くにいる3年生や、2年生に声をかける。
前の方の一年生は、清子や谷っちゃんが起こしてくれている。
田「藍蘭さんっ!もし起きなかったら叩き起こしてくれますかっ!」
藍蘭「えっと…」
西「モーニングコールとか、してくれますかっ!」
西谷や田中の中でそれぞれの想像が飛び交う。
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藍蘭『龍!早く起きなさいっ!』
バサッと勢いよく布団を剥ぐ。
田『まだ寝させてくださいっ!』
藍蘭『グダグダ言わないっ!』
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藍蘭『夕、起きて。朝になりましたよ?』
西『もう少しだけ…。』
藍蘭『ダメダメ。ほらー起きてー』
頬を指で突く。
西『藍蘭さーん』
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田/西「二度寝します!」
縁「やめろ、お前ら。先輩困らせるなって。すいません、藍蘭さん。」
隣の澤村くんが何か言う前に、
縁下が注意した。
藍蘭「ありがとう、力。」
澤「縁下はしっかりしてるな。来年も、頑張ってもらわなきゃな。」
縁「もう少しだけ静かならもっといいですね。」
藍蘭「澤村くん、大変だっただろうけど、力の方がなんかもっと大変そうね。」
縁「ほんと、迷惑かけてすいません。」
騒いでる2人ではなく、縁下が頭を下げた。
縁下は、2人にも声をかける。
田中はあっ!と声を出した。
縁「何だよ、急に。」
田「今思ったんですけど、なんで大地さんの事、名字呼びなんですか??」