第10章 一週間は終わりを告げる
赤葦
もうすぐバスの時間。
もう少しで、帰ってしまう。
バッグにシューズ、サポーター、タオルをつめて、
どんどん膨らんでいくバッグを見つめて、
手が止まる。
彼女もこんな風に荷物を詰めて、
遠く離れた場所に、手の届かない場所に、、
帰っていく。
木「あかーし!!見送りいつだー?」
彼はやりきった様な笑顔で、
声をかける。
悔しいけれど、彼は…。
赤「もうすぐですよ。早く出発準備してください。」
木「おうっ!」
と、いそいそと乱雑に物を詰めていく。
赤「あと、すこし。」
淋しさを含んだ言葉は、
自分の胸に重く刺さった様な気がした。