第8章 虎視眈々
研磨
研「ねぇ、クロ…」
黒「ん?…あっ!」
一瞬だけ答えて、何か見つけたようだ。
きっと、彼女だろう…。
横目でチラリと目をやると
クロは本当に嬉々としていた。
本当に、純粋な気持ちで。
キラキラした目で、まっすぐに見つめていた。
でも彼女は、クロの視線なんかつゆしらずで
日向と話してる。
そこに、セッターのひともきて、
さらにリベロの人、キャプテン。
周りに人が集まって、
周りが華やいで。
俺とは、逆の人。
人たちの中で、笑顔で話をする彼女を
クロはずっと見つめていた。
小さく、何かいいかけたようだか
俺が聞いても何もできないから
追求はしなかった。