第7章 寄り添う静かな優しさは
藍蘭
朝起きると、綺麗な朝焼けで
空が暖かいオレンジ色に染まっていた。
布団で寝ていたわけじゃないから、
身体が少し痛い。
軽く腕を伸ばして、研磨を見た。
藍蘭(まだ、寝てる…。)
昨日の夜は、彼には迷惑をかけた。
泣いたり、黙ったままだったり。
彼からしたら、意味がわからなかったと思う。
でも、そばに居てくれた優しさは、
本当に暖かかった。
藍蘭(ジャージ、どうしよう)
音駒
という文字をなぞる。
藍蘭(洗って、お返しするべきだよね。でも、もう一着あるかな。あっても、洗濯とかじゃないよね…)
いろいろかんがえて、結局洗う事にした。
書き置きだけして、教室を出た。
部屋に戻る途中、携帯を見ると他の子から、
たくさんメールが届いていた。
部屋で直接謝ろうと思い、画面を閉じる。
そっと戸を開けて、中を見る。
やはり、まだ寝ている。
藍蘭(5時は、まだ起きないよね。)
私のいない布団は、冷たかった。
不意に声をかけられた。
清「おかえり。」
小さな声だった。
藍蘭「だだいま。」
清水は、少しこちらを見ると、
微笑むだけで何も聞かなかった。
こんな風に、笑ってくれる人がいる。
何も聞かずに、黙ってそばに居てくれる人がいる。
そう思うだけで、胸がいっぱいで
冷たい布団に身体をうずめた。