第5章 行く手を阻まれ揺れる想いは
藍蘭
わからない。
どういうこと?
木兎「いい?」
藍蘭「えっと…ハイ?」
わからないまま、返事をしてしまった。
木兎「本当!やった!」
こんな風に無邪気な方だから、
あんまりに大変なことはきっと言わないはず。
……多分。
木兎「ねー、男に遊ばれるってどういうことか理解してる?」
藍蘭「はっきり言って、未だに理解しきれてないです。」
木兎「そっかー。じゃあ木兎さんが、1から10まで合宿中教えてあげよう!」
はぁ。としか言えなくて、
結局わからなかった。
木兎「じゃ、試合終わったら俺に連絡してね。」
終わったらって…
赤葦さんとお話する約束がある。
藍蘭「今日は、約束があります。」
木兎「えー…」
藍蘭「また別の日じゃダメですか?」
木兎「出来ることするんじゃないの?」
言葉に詰まってしまった。
自分から言ったのに。
藍蘭「……。」
木兎「…連絡、待ってるから!」
そう言って梟谷へ、戻っていった。
あぁ、どうしよう…。