第5章 行く手を阻まれ揺れる想いは
藍蘭
今日の練習が終わったら、
赤葦さんとお話する。
それまでに、ちゃんと言いたいことを整理しなきゃ。
木兎「この前の電話の子ー!」
藍蘭「あ、木兎さん。この前は、すいませんでした。」
木兎「そんなきにしてないけどさー。」
藍蘭「本当ですか!」
木兎「だけど、少し悲しいかなー…。」
藍蘭「寂しい…ですか?」
木兎「こんな可愛い子と、赤葦話してたんだよ?俺の電話なのに!」
そういえば、ちゃんと電話した理由を言っていなかった。
藍蘭「赤葦さんの、連絡先をお聞きしたくて電話させていただいたんです。」
木兎「えー木兎さんはー?」
藍蘭「えっと…。じゃっ、何かお詫びします!」
木兎「本当に?」
藍蘭「はい!出来る範囲のことなら!」
木兎「えー!そんなこと言ってもいーの?」
だって他に、お詫びが見つからない。
きっと彼は、事務的なお詫びなんて考えてないはずだから。
相手が喜ばないのなら、お詫びではないと思った。
藍蘭「まぁはい。出来ることしか、できないので…。」
木兎「じゃあさ、俺と遊んでよ。」
藍蘭「遊ぶ…?」
木兎「んー…。遊んで?遊ばれる?んー…。」
藍蘭「あそぶ…?バレーとかは、もちろん無理ですよ?」
木兎「遊ばれて。ってお願いの方が、正しいかな?」
藍蘭「えっ?」
理解しきれない私を見て、彼は笑った。