第4章 静かに見守るあの影は…
藍蘭
時間の流れは早いもので、
練習の時間は終わり、夕食の時間となった。
藍蘭「赤葦さんに、直接聞くべきだろうか。」
日向「赤葦さんですか?さっきの食堂行きましたよ?」
藍蘭「えっ?日向くん?どうして?」
日向「聞いちゃダメでしたかっ?すみません!」
藍蘭「いや、口にした私も悪いから。」
日向「いや、俺が悪いです!」
藍蘭「いやいやっ!」
お互いよくわからないけど、引かなくて大変なのを見かけた彼は声をかけた。
菅原「おーい日向ー。影山走ってたけどいいのかー?」
日向「ほんとですかっ!藍蘭先輩すいませんでしたっ!」
と言って食堂まで走って行ってしまった。
藍蘭「助かったよ、ありがとう。」
菅原「おう。」
菅原は、幼馴染みで、お母さんみたいだからとても頼っている。
同い年なのに、なんとなく大人びている感じがして、
相談事は大体菅原に聞いてもらう。
藍蘭「少し質問なんだけどさ 。」
菅原「うん。」
藍蘭「聞きたいことがある時って相手にきちんと聞きに行く?」
菅原「え?聞きたいことなんじゃないの?」
藍蘭「そうなんだけどさ。」
菅原「んー、聞く内容にもよるけどさ。」
藍蘭「自分をどう思ってくれてるか…?」
菅原「何?好きな人でもできたの?」
藍蘭「わかんない。」
菅原「わかんないって。」
藍蘭「わからないのだもの。」
菅原「聞いてみれば?その人に。」
藍蘭「そうしかないよねー…。」
そうは言うけれど、実際会えるのなんて、
数十分しかないかもしれないし、
あっても話せないかもしれない。
藍蘭「私が、がんばんなきゃいけないのかな」
菅原「よくわかんないけど、頑張れ。」
藍蘭「うん。」
幼馴染みから少し勇気をもらった。