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300Kmと0㎝

第18章 逢瀬



藍蘭

藍蘭「屋上?」


長い階段を登るともう最上階。
その先の鍵がかかってるはずの扉の鍵を
持っていて、何となく感嘆の声がでた。

藍蘭「どうして鍵?」

赤「先生に借りたんだ。昼休憩の時、
屋上にボール上げちゃいましたって」

藍蘭「凄いね。こんなに高く投げれるなんて」

赤「嘘だよ。もしそうならきっと野球やってたよ」

改めて彼を見ると、天然パーマで
フワフワしている髪が濡れて少しだけ直毛見たい。

何となく触ってみたくなり、軽く手を当てる。

赤「…どうしたの?」

理由を言うと少しだけ笑って、
なんか、気持ちいいから、どうぞ。
なんて言うから、わしゃわしゃと撫でる。

藍蘭「まだ濡れてるね」

赤「じゃあ、藍蘭が乾かして」

ドライヤーがないからタオルドライのみになるけど
それでも京治は気持ちよさそうに目をつぶっている。

藍蘭「なんだろう、弟の面倒を見てる気分になるよ」

赤「もし藍蘭が姉さんなら
悪くないけど…」

けど…?と続きを催促すると
キスをされる。

赤「こういうこと、出来なくなるでしょ?」



この人は時々思い出したように
こういうことをする。



なぜだろう、まだ数えるほどなのに


慣れとは怖いものである



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