第18章 逢瀬
藍蘭
赤「藍蘭?」
藍蘭「京治?」
ごめんね、と声をかけてお互い近づく。
スッ、と手を出されておずおずと触れる。
男の人っぽい骨張った手。
あんまり太くも無いけど細くもない
しっかりした腕。
彼は何か、潔子たちに話してるけど、上の空。
赤「ほら、藍蘭行くよ。なんか、いいの?」
私の名前を呼ばれて初めて気づく。
藍蘭「ごめんね、最後の夜なのに。
戻る時は静かに戻るから、よろしくお願いします」
白福ちゃんは耳元で「むしろ朝帰りでもしちゃえば?」
なんて言うからきっと真っ赤だ。
黒尾さんとかのからかいの目が向けられていたけど、
知らないふりして京治について行った。