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第4章 静かに見守るあの影は…




「藍蘭さん、お疲れ様です!」
「ありがとう。」

戻ってきたところで声をかけてくれたのは、
後輩の山口君。

山口「手伝えることありますか?」

藍蘭「タオル、畳むの手伝ってくれる?」
山口「はいっ!」


いつもこうやって手伝ってくれるのが山口君。
自分も練習で大変なのにやってくれる。
でも手伝ってくれる優しさにいつも甘えてしまうのだけど。

藍蘭「今日は、月島くんいないね。」

山口君「ツッキーは、どこかで休んでると思います。」

藍蘭「そっかー。」

山口「俺と違って試合出てて疲れてるんですよ。」

彼は笑っているけど、辛いと思う。
自虐的なことは、いって欲しくなかった。
彼だって、烏野の大切な選手だから。

藍蘭「山口君も一緒だよ。」
山口「え?」
藍蘭「山口君が一生懸命に声出してることは、
一緒に戦うことと同じじゃないの?
プレーに参加するだけが、戦うこと?
山口君の声が中のメンバーを
助けることだってあるんだよ?」

山口「そう、ですかね。」

藍蘭「そーだよ。
山口君だって、ただ声出してるわけじゃない。
考えて、チームと一緒になって戦ってるわけだから、
何の心配もない。」

山口「そうですね。なんか、元気出ました!」

藍蘭「そう、それならよかった。」

上手い言葉が出てきたわけじゃないけど、
形として彼を励ますことができたなら、
よかったのだろうか。

彼は、私の言葉をどう受け取ったのだろう。

少なくともフォローされてるとは思って欲しくはない。

彼だってチームのプレーヤーだということを、
強く思ってくれたのだろうか。

マネージャーとして、言葉をえらべたのかな。


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