第14章 熱
藍蘭
藍蘭「木葉さん、やめてください!
こういうの、ダメです!」
こういうの、流されちゃダメだ。
だって、だって私はっ!
藍蘭「京治くんの、彼女なんでっ!」
声、とても響いた。
木葉さん、ごめんなさい。
鼓膜破れなかったですか。
自分の声に、耳を塞ぎそうでしたもの。
こんなに近い距離にいるのだから、
耳がキーーンとなっているだろう。
さぞかし怪訝そうな顔をしているのでは………
って、あれ?
上を向くと、目を手で覆われる。
そのまま、くるりと向きを変えられて、
上を向いた顔を真っ直ぐ前を見据える形にする。
まぁ、手で覆われていて、どんな状況かはわからないから、
確実にそうだとは言えないけれど……
木「ほら、言った通りだろ?
ちゃんと自覚してんだって。な?赤葦。」
視界が明るくなる。
目線の先に京治くん。
あれ?なんでっ…?
って!聞かれたの!?
本人にっ!?
恥ずかしいっ……
穴があったら、入って一生出て来たくない……。
そして、京治くん少しだけ……
不機嫌??
いつもと表情は変わらないけど
なんだか少しだけ違う。
赤「藍蘭にちゃんと自覚があるのはわかりました。
木葉さん、離れてもいいんじゃないですか…?」
木「え、ヤダかなぁ」
後ろから腕を回されて、私の頭の上に木葉さんの
頭があって、地味に痛いです。
それにギュッて肩抱かないでください。
京治くんに、私が怒られますっ!
ワタワタと心の中では走り回っているけど
実際私は動けない。
なんだかんだで、きちんとホールドしてるんですね。