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300Kmと0㎝

第14章 熱



Noside

赤「厄介ですね、月島くん」

藍蘭「へ?」

赤「今日のブロック。少しだけ、脅威を感じたはず。」

休憩中の私と赤葦くんは、座り込んで話していた。

横目で光太郎のことを見ながら、赤葦くんは続けた。

赤「黒尾さんの狙い通り、ですかね。」

藍蘭「……。」

コートで騒ぐリエーフくんや、日向。
言い合いしながらも楽しそうに指導する、光太郎と、鉄朗。
少しだけ赤葦くんに助けを求めた目でこちらを見る蛍。

藍蘭「助けてあげないの?赤葦くん。」

一瞬だけ拗ねたような顔をして、

赤「大丈夫。可愛い子には旅をさせろって言うし。」

藍蘭「蛍を可愛い子には当てはめれないけど…
あながち間違えではない??」

少しだけ悩んだ様子の藍蘭の顔を見て、
意地悪そうに笑う赤葦。

グッと肩を寄せて、顔を至近距離に置くと、
小さく囁いた。

赤「気づかないの?鈍感だよね、藍蘭って。」

唇が色っぽく動いて、小さく弧を描くと、
そっと寄せられた。

恥ずかしくて目を瞑った藍蘭。


……………


目をそっと開けると、赤葦と目があう。


赤「キス、されると思った?」


少しだけ低音のかかった声で、甘く囁く。

赤「いつまでたっても気づかないんじゃダメだよ。
だからおあずけ。
藍蘭が気付けたら続き、しよっか」


藍蘭「……つ、づきなんて、いらない。」

赤「そっか。じゃあ、触れられないのと、触れられるのだったら、
どっちがお仕置きになるかな。」

今度は、妖しく笑う。

藍蘭「どっちも、無くっていいっ!」

ハハハ、と笑うと

赤「藍蘭の言う通り、助けてこようかな。」

なんて言って、コートに歩いて行った。


その時、藍蘭と赤葦の顔に、
視線が刺さったのは言うまでもない。



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