第14章 熱
藍蘭
それから、練習試合に移った。
今日は本当に驚かされることが多い。
11対6
月「止めなくてもいいんですか。」
蛍がそう言ったのだ。
みんなが蛍の顔を見る。
私もびっくりして、スクイズをスルリと落としそうになる。
烏養コーチもびっくりしながら、喋っている
コートに戻る選手たちは少しだけソワソワしている
ラリーが続いて、点数が重なるって、
14対8で梟谷がリード
もしここで切ったら、道が大きく広がる!
冷静に京治のトスを見て、しっかりとボールを追う。
光太郎が入ってくる。
完璧な助走、フォーム、トス。
藍蘭「強打!」
そう思ったのに
蛍のプレッシャーが光太郎に重くのしかかる。
ボールはブロックの後ろへ落ちた。
自身の緊張がふっと切れたように、
カクンと膝から力が抜ける感覚
谷「藍蘭さん!」
声にびっくりして身体がまた緊張する。
藍蘭「ごめん、驚かせて」
清「熱中症?大丈夫?」
藍蘭「ううん。ちがうの。
ただ…少し気押されちゃった」
コートに目を移すと梟谷側では
光太郎が大きな声で謝ってる。
レシーブに戻る途中、蛍が日向君を一暼する。
谷「太陽VS月?」