第14章 熱
No Side
孤「ご飯、一緒に食べよ。」
彼が朝、藍蘭のことを探したのは
これが言いたかったから。
朝見た時の黒尾の顔はひどく作られたもので
不機嫌さを覆い隠すための笑顔、冗談、身振り。
孤『俺が気づかないとでも思ってたの、クロ。
何かあったんでしょ。』
黒『なんもねぇよ、あるとすれば昨日烏野の
メガネ君にちょっと教えすぎたのと、
木兎のスパイク練が辛かったってのだけかな。』
昨日、という単語に違和感を覚えた彼は
練習のメンバーを思い出す。
藍蘭
彼女はその場にいた。
彼女に何かあったのか、彼女と何かあったのか
気になった上に、あのクロを合わせたら、
いつかの"間違い"が起きかねない
だから探しに来たのだ。
藍蘭「うん、是非。」
そう言ってキョロキョロと何かを探す
藍蘭の手を引いて
孤「今日はクロ、一緒じゃないよ。」
そっか、と微笑んで、素直にその後ろをついていった。