第6章 放課後デート
「あ! 呼ばれたアル! 私取って……」
くるネと続けようとした神楽だったが、総悟が先に席を立ってレジに向かってしまった。
「そ、総悟!?」
「自分の食べ物もあるのに、彼女にそれを持って来させるわけにはいかねェでさァ」
スタスタとレジまで歩いてトレーを受け取ると、お腹を空かせた彼女のもとまで持って来た。
「ほらよ」
神楽の前に置くと、総悟は神楽の隣の席に座った。
「あ、ありがとうアル!」
神楽はさっそくハンバーガーを取って食べ始めた。
総悟はジュースを飲む。そして、思い出したようにケータイを取り出した。
「? 総悟、何するアルカ?」
神楽は総悟のケータイを覗き込んだ。
「ん? あァ、土方のヤローに何かイタズラをしてやろうと思いやして」
ニヤリとドSの顔になって、総悟はメールを打ち始めた。
その内容を見て、神楽は声に出して笑った。
「総悟、それはあまりにもひどいアルヨ!」
総悟もおかしそうに笑いを堪えながら、メールを打ち続けた。
「こりゃァ、明日が楽しみでさァ」
「そうアルネ!」
まだ付き合いたての高校生カップルは顔を見合わせて笑い合った。
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