第4章 祭での攻防
マダオが射的の商品を指差す。だが……。
「だ!?」
指を指した腕につけていた腕時計が何者かが撃った銃の弾により、壊されてしまった。そこにいたのは……。
「腕時計、ゲーッツ」
ドSな顔をしている真選組1番隊隊長沖田総悟だった。ーー真選組は今日、将軍の警備を担当しているはずなのだが……どうやら、サボったらしい。
「ちょー! ちょ、待て! 待てって、おい! 何でもあげるっつったって、おじさんのはなしだよ! ねェ、おい、聞いてる?」
マダオが必死に説明をしているが、会ったら最後、喧嘩が始まるこの2人はお互いを睨んで、相手を威嚇しているため、マダオの話を全く聞いていない。
2人は持っていた食べ物を放り捨てた。マダオに向かって銃を向ける。
パンッ
「うっ!?」
「ヒゲ、もーらいっ!」
パンッ
「うわ!?」
「上着、ゲーッツ」
パンッ
「ぐはっ!?」
「乳首、取ったりィ!」
そんな2人の様子を新八は後ろで呆れた様子で見ていた。
「チャイナァ、お前、そろそろ外しやがれィ」
「お前こそ、さっさと外してどっか行くアル!」
神楽はさっき当てたマダオのサングラスをかけて言った。
「チッ、それなら……」
パンッ
「ぐへ!?」
沖田の撃った弾はマダオの頭に当たった。
「お前が外すまで、当て続けるだけでさァ」