第4章 祭での攻防
「おいしいアル」
神楽は焼きトウモロコシを食べてながら歩いていた。隣にはリンゴ飴を食べながら歩いている新八がいる。ーー神楽と新八はいろいろあって、平賀源外のからくりの手伝いをした後、2人並んで祭を堪能していた。
「あ、おじちゃんだ」
神楽がふと横に目をやると、射的の店を出しているマダオこと、長谷川がいた。
「げ!? 激辛毒舌娘!」
長谷川は神楽を見た途端、顔をしかめた。
「長谷川さんじゃないですか! 就職先見つかったんだ! おめでとうございます!」
「いや〜あははははは、まあね、2人は何? デートか? あははははは」
「射的ですか! ちょっとやっていこうかな!」
「あー、やってて! やってて! やってて! サービスするよ!」
神楽は2人がそんな話をしている間に、銃に弾を詰め込んでいた。ーートウモロコシを咥えながら。
「当てれば何でもくれるアルカ?」
「おう! あげるぞー!」
神楽は構えた。
(絶対に当ててやるアル)
「よーく狙ってー……」
集中して1つの物に目標を定める。
パンッ
「ぐほ!?」
当てたのは……長谷川のサングラスだった。サングラスが地面に落ちる。
「寄こせよ、グラサン」
神楽は口からトウモロコシを取って言った。
「えー! ちょ、ちょ、ちょ、ちが! 狙うのはあっち……」