【3Z】犬のように愛し猫のように可愛がる【R18/BL】
第9章 休暇期間
「ついて来い」
「え?」
返事はなくそれだけ言うと小屋から出て行く。
訳の分からないまま足を引きづりながら素直に高杉について行った。
「乗れ」
「…は?」
いきなり自転車置き場に連れて来られたと思うと、
今度は自転車の後ろに乗れと言ってきた。
…送るという事なのだろうか。
「いや、いいよ。悪いし」
「いいから早く乗れ」
乗るまで帰さないと言うようにこちらを見つめてくる。
「…分かったよ」
渋々自転車の後ろにまたがり座った。
高杉は自転車を漕ぎ始める。
「うわっ…」
思わずよろけ咄嗟に高杉の制服の裾を掴んだ。
特に会話もなく家に着くまでの間、無言の時間が続いた。
だが掴んだ手から高杉の熱を感じ、妙にドキドキしてしまう。
恋人同士でもあるまいし…何考えてんだ。
しかしこれも高杉なりの優しさなのだろうか。
ちゃんと見ようとしてないだけで、本当は優しい青年なのかもしれない。
胸の中が混乱する。
俺はこいつの玩具…なんだよな。