【3Z】犬のように愛し猫のように可愛がる【R18/BL】
第9章 休暇期間
「痛っ!」
不意に高杉に左足を掴まれた。
途端に激痛が走り顔を歪める。
「…足、どうかしたのか?」
「別に。…っ!」
左足を掴む手に少し力をこめられる。
正直に言わないと離してくれなさそうだ。
「捻挫だよ。ボール、ぶつかっちゃって」
「相変わらず間抜けだな」
鼻で笑われムカッとくる。
俺がいつ間抜けな行動をとったんだよ。
「まぁ、いい。こんな状態のお前で遊んだって面白くねーしな。今日は帰っていいぜ」
「へ?」
予想外な言葉に本当に間抜けな返事が出てしまう。
いつもはこっちがどんなに嫌がっても抱くのに…。
「聞こえなかったのか?今日はもう帰れ」
それだけ言うともう話は終わったと言うように高杉はソファーにもたれ掛かり目を閉じた。
「…じゃあ、帰るよ。…また明日」
拍子抜けしつつもソファーから立ち上がり出口へ向かった。
「待て」
今度はなんだ?
ドアノブに手をかけたところで呼び止められ振り向く。
「お前、どうやって帰るつもりだ?」
「徒歩だよ。いつもそうだし。…まぁ、いつもより時間掛かるだろうけど」
高杉はしばらく無言になると急に立ち上がる。