【3Z】犬のように愛し猫のように可愛がる【R18/BL】
第5章 参加条件
「オイおせーぞ。何してたんだ」
ジャージ姿の銀八は不満げにようやく勉強会にやって来た八雲を咎める。
「すいません…」
「まぁ来たからいいけどよ。…ところで、あいつお前が呼んだのか?」
銀八は八雲に顔を近づけ席で勉強をする高杉を指差す。
「…まぁ、はい」
「何したんだ?」
「っ…!」
その言葉に体が硬直する。
滅多に教室に来ない生徒がいきなりテスト勉強に参加しているのだ。
しかも新米教師の説得でそう簡単に来るとは普通思わない。
銀八がそう聞くのも当然だ。
「いえ…特には。…高杉も3年Z組のクラスメイトですし、彼もみんなを心配してるんですよ」
苦しい言い訳だ。
こんなので信じてくれるわけがない。
しかし他に言い訳が思い付かなかった。
「…まぁ、いいけどよ。正直今の状況はありがてーし」
銀八はそれ以上追及しなかった。
内心ホッとした。
「正直ホントにお前が高杉呼ぶとは思わなかったけどよ、ありがとうな」
銀八は口元に笑みを浮かべ八雲の頭を撫でた。
それだけで心が救われた。
自分のやった事は無駄ではなかったのだと思えた。