【3Z】犬のように愛し猫のように可愛がる【R18/BL】
第25章 私利私欲のため
「けど、嫌いじゃねぇ。…付き合ってもいい。…契約無しで」
「相変わらず上からだな、お前は」
「知ってただろ」
「そうだったな」
不意に体を包まれた。
いつもの乱暴さはなく優しく体を抱き締められ、手を伸ばしそっと高杉を抱き締め返した。
「いつかお前に好きになってもらいたいな」
「…いつか必ず言ってやるよ」
「そっか。…じゃあ、待ってる」
そのまましばらく抱き締め合い、唇を温かいもので塞がれた。唇と唇だけの軽い接触だった。契約だけだった二人のキスは、純潔なものだ。
唇を離した瞬間、また強く体を抱き締められる。顔は見えなかったが、チラリと見えた高杉の耳が真っ赤に染まっているのが見えた。
それを見て自分の頬にも血が上がり熱くなる。胸の鼓動がうるさい。