【3Z】犬のように愛し猫のように可愛がる【R18/BL】
第5章 参加条件
「なんだ?その条件って?」
高杉を見つめ首を傾げると、口角を上げ何とも嫌な笑みを向けられる。
その笑みを見て、なぜか背筋がゾッとした。
「今から勉強会なんだろ?…これ入れたまま勉強教えてくれよ、先生」
目の前に差し出された物に顔が熱くなる。
高杉の手の平に乗っているのはリモコン式の小さなローターだった。
「そんな事…出来るわけないだろ!?」
熱い顔をおさえながら言った。
何を考えてんだこいつは!
いくらなんでも酷すぎるだろ!
「そうか。それならそれでいいぜ。俺はテスト受けないだけだしな」
「そんな…」
ここまで来て、散々言われてようやく受けて貰えると思ったのに…。
「しかし、結局その程度だったんだなぁ?クラスのために動きたいとかほざいてたくせに、条件出されたらもうお手上げか?」
高杉の言葉が胸に刺さる。
それに
このまま引き揚げたら、こいつの言うようにただの自己満足でしかない。
「…分かった。やるよ」
唾を飲み込み意を決して答えた。
「へぇ…」
少し意外そうにするも、すぐに怪しげな笑みを浮かべた。
心のどこかで今ならまだ引き返せると声がする。
しかし足はその場から動かせなかった。