【3Z】犬のように愛し猫のように可愛がる【R18/BL】
第25章 私利私欲のため
やる事がなくただ無意味に携帯を開いてはまた閉じる。
パタン、パタンと部屋にその音だけが響き渡る。
「…アホらし」
我ながらバカな事をした。つい感情に身を任せた。
あいつが他の奴に抱かれたと思うとどうしても耐えられない。殺したくなる。
…別に自分のものでもねーのに。
分かっちゃいるが、どうしても抑えきれなかった。そうすりゃ安心出来る気がした。
少なくとも、この嫌な感情だけは抑えられる。
「…テメーがあんな事言うからだ」
そうすりゃこんなバカげた感情も湧かなかったのによ。なんであいつに振り回されなきゃいけねーんだ。
変わりたい?一人じゃ何も出来ねーお前がか?
好きだった?バカじゃねーの?あれだけの事されてか?
俺はお前に対して同じ感情は抱けねーよ。
いや、そう思ったとしてもダメだろ。
俺がお前に惚れていいわけねーじゃん。
そのためにも、今のこの関係は壊せねーんだよ。そうじゃないと感情がデカくなる一方だ。
チャイムの音が聞こえ我に返る。