【3Z】犬のように愛し猫のように可愛がる【R18/BL】
第18章 看病と暴走
…ホントに何してんだろーな、俺。
額のタオルを濡らし絞りながら思わず自分で自嘲気味に笑ってしまう。
ベットに頬杖をつき八雲の寝顔を見つめる。先ほどよりも熱が下がったようで寝息も規則正しいものに変わっていた。
なんでこうなったんだろうなぁ…。
八雲の寝顔をジッと見つめながらふと思う。
初めて会った時から気に食わなかった。笑顔で固めた仮面を被り、俺の事なんて見てもいない。こいつの作り笑いを見ているとイライラする。
だから壊してやろうと思った。無理にでも仮面を剥いでやろうと思った。そうすれば満足すると思っていたんだ。
それが今じゃこの様か。
フッと小さく笑いを零す。
仮面を壊してしまえば子供のようにコロコロと表情が変わる。いつの間にかこいつと居るのが楽しくなっていた。
誰よりも淫らで、誰よりも純粋で欲深い。そんなこいつを知っているのだ俺だけだ。そう思うとたまらなく独占欲が湧いてしまう。
腕を伸ばし八雲の頬をそっと指先で撫でると、肌に熱が伝わってくる。ゆっくりと身を乗り出し今度は触れるだけの口づけを交わした。
「…壊してしまいたい」
俺しか見れないように、俺以外の奴に会えなくなってしまう程に壊れてしまえばいい。そうすれば、このどす黒い気持ちも消えるはずだ。
彼の首元を見ると、自分が残した赤い痣があちこちに散らばっていた。それを見るたび安心する。こいつは自分のものだと実感出来る。
「お前は俺だけを見ていればいい」
八雲の頬を撫でながらそっと呟く。