【3Z】犬のように愛し猫のように可愛がる【R18/BL】
第18章 看病と暴走
…別にあいつの思惑通りになったわけじゃねぇ。様子を見に来ただけだ。
お粥を作りながら高杉はそう自分に言い聞かせる。
つかあいつホントに年上か?よくあれで今まで暮らしてこれたな。見ていられなくなっただけだ。仕方なくやってるだけだ。これは看病じゃねーぞ。
風邪に効く卵や食べやすく切り刻んだ人参などをお粥の入った土鍋に入れながら心の中で自分に言い聞かせる。
ついでにデザートにミカンの缶詰を開ける。ちなみにミカンはビタミンが豊富なので風邪を治すのに効くらしい。
「おい、出来たぞ。…って、寝てんのかよ」
土鍋とミカンが入った小皿をトレイに乗せ八雲の元へ戻るとベットで布団を深く被っていた。小さく溜息をつきトレイをテーブルに乗せる。
「おい、起きろ。粥冷める…おい!」
八雲の異常に気付きギョッとする。
ぐったりとしてしまっている八雲の体に触れると燃える様に熱い。だいぶ熱が高くなってしまったようだ。
解熱剤を取り出し飲ませようとしたが上手く飲み込んでくれない。
「くそっ…」
苛立だしく舌打ちをする。珍しく慌ててしまう。
…仕方ねーか。
高杉は解熱剤を口に含むと薄く開いた八雲の唇に口づけを落とす。薬を流し込むと小さく飲み込む音が聞こえ、ホッとし口を離す。
布団をかけ直ししばらく様子を見る事にした。
世話の焼ける奴。何してんだ俺。
そう思いつつも帰る事も出来ず、八雲の額に濡れたタオルを乗せベットの近くに腰掛ける。