【3Z】犬のように愛し猫のように可愛がる【R18/BL】
第16章 絶対的な関係
朝のHRを終え、八雲は職員室へと戻る途中だった。
正直一時はどうなるかと思ってたけど、やっぱり優しいな、坂田先生。
八雲は小さく笑みを浮かべながら思う。
告白には驚いたが、あれも心配してわざと言ってきたのだろう。
口ではああ言っていたが、自分を本気で好きになっているなんて…ありえない。
高杉だってそうだ。俺を好きになるなんて…
そこで胸が小さく痛んだ。
好き…か。
今まで何度か思った事はあったけど、気の迷いだと自分に言い聞かせて出来るだけ考えないようにしてきた。
それに今までこんな気持ちを味わった事がない。
俺は、多分高杉の事が好きなんだろうな。
恋というものがどういうものなのか分からないけど、あいつの事を考えるとどうしようもなく胸がドキドキする。
まさかこの歳で初恋をするなんて。…しかも同性の男に。
思わず自嘲気味に笑いが零れてしまう。
しかし嫌な気分ではなかった。それが叶わない恋だとしても。
「何一人でニヤニヤしてんだよ」
「うわっ!」
いきなり誰かに話し掛けられ思わず素っ頓狂な声を上げる。
声のする方に体を向けるとそこには高杉が居た。