【3Z】犬のように愛し猫のように可愛がる【R18/BL】
第16章 絶対的な関係
「じゃあ仮にお前の片思いだとするよ。けどそれがなんだ?好きなら好きだって本人に言えばいいじゃねーか」
「出来るわけないじゃないですか」
「初めての告白で勇気持てねーってか?どこの乙女だよ」
「そういう事でもないですよ」
苦笑いを浮かべながら八雲は首を横に振る。
「そんな事言っちゃったら、きっとあいつ俺から離れちゃうんで。もう嫌なんです。誰かに見放されるのは。…少なくとも、今のままなら高杉は俺をそばに置いてくれますから」
「お前…」
言葉が出なかった。
こいつの過去に何があったかは分からないが、いつもニコニコと作り笑いを浮かべている理由が、今何となく分かった。
こいつは人に嫌われるのを恐れているんだ。
「…お前はそれで幸せなのか?」
「もちろんですよ」
嬉しそうな笑みを浮かべながら大きく頷く。
それを見て、俺はそれ以上何も言えなくなってしまった。