【3Z】犬のように愛し猫のように可愛がる【R18/BL】
第15章 互いの関係性
八雲が目を覚ますとソファーに寝かしつけられていた。
ワイシャツは脱がされており代わりにジャージが着せられていた。
「体は大丈夫か?」
「…少しだるい」
近くに座っていた高杉の問い掛けに答える。
「このジャージお前のか?」
「俺以外いねーだろ。シャツ汚れちまったからな」
苦笑いを浮かべながらソファーの近くに置いてあるワイシャツが入った紙袋を指差される。
なるほど道理でぶかいわけだ。
余った袖を捲り腕を出す。ふと腕に目をやるとロープの痕がくっきりと残っていた。
慌てて袖を戻す。
「別に隠す事はねーだろ」
高杉がこちらの様子を見つめている。
「隠すよ。…これじゃしばらく人前で腕出せないじゃないか」
「出さなきゃいいだろ。それとも出すような事があんのか?」
「そうじゃないけど…」
「ならいいだろ。むしろ堂々と見せてた方が、変な虫がつかなくてこっちとしては助かるけどな」
「なんだよそれ」
まるで子供のような返しに思わず笑ってしまう。
いつもは大人びて見えるが、こういう時だけ年相応の子供っぽさが見えて可愛らしく思う。
「俺は本気で言ってんだよ」
こちらの笑いにムッとした表情を見せる。
「うん。分かってる。…ごめんな」
笑みを浮かべたまま小さく頷く。