【3Z】犬のように愛し猫のように可愛がる【R18/BL】
第13章 思わぬ落とし穴
「やっちまった…」
賢者モードに入りようやく自分のしてしまった過ちに気付く。
同じ職場の人間、しかも男とヤッちまったよ。
何より問題なのはこっちが脅して犯したようなもんだ。
これじゃ高杉と同じじゃねーか。いや、もっとたち悪いかもな。
くそ、こんなつもりじゃなかったのによ…。
チラリと八雲の方に視線を向ける。
八雲はただ無言で身なりを整えていた。
「…手伝おうか?」
「…いえ」
会話が止まった。
責める言葉もぶつけられないのが逆にキツイ。
「あの…悪かったな。ちょっと魔が差したっていうかよ。ホント、そんなつもりじゃなかったっていうか…」
あれだけの事しといて魔が差したはねーだろ。何言ってんだ俺。
自分でも苦しいと思える言い訳を繰り返し八雲の様子をうかがう。
「…もういいですから」
「いや、けど…」
いつもの作り笑いを浮かべるわけでもなく無表情のまま首を振られ戸惑う。
「それより、これで高杉の所には行きませんよね?」
「え?あ…あぁ」
真っ直ぐとこちらを見つめられ思わず頷く。
「なら安心しました。…じゃあ、俺行きますね」
「待てよ」
立ち上がりその場から離れようとする八雲の腕を掴む。