【3Z】犬のように愛し猫のように可愛がる【R18/BL】
第13章 思わぬ落とし穴
「なんでだよ。まだ体要求され続けてんだろ?お前だってこのままじゃ…」
「俺は困ってませんから!」
言葉を遮り睨み付けてくる。
こんなにも感情を表に出すこいつは初めて見たが、それでも何を考えているのかはさっぱり分からない。
高杉を庇ってんのか?
お前弱み握られて脅されてんだろ?庇う必要あんのか?
「…お前が何と言おうとこの件を放置する事は出来ねーよ。高杉の所には行く」
「止めて下さい!お願いですから!」
八雲は銀八の服を掴み懇願する。
その顔は今にも泣きそうだ。
「なら理由を言え。お前がそこまであいつを庇う理由が分からねぇよ」
俯き黙ってしまう。
…理由は言えねぇってわけか。
口を開く気配もなく俯いたままの八雲に銀八はイラつき始める。
「言えねぇんなら仕方ねーよな。離せ。俺は行くからな」
痺れを切らし服を掴む八雲の手を払う。
「お願いです!それだけは!…な、何でもしますから!」
その言葉にピクリと片眉が動く。
こいつ、今なんて言った?
何でもしますだ?本気で言ってるのか?
分からねぇ。高杉がこいつの何を変えたんだ。
こいつは真面目なんかじゃねぇ。ただのバカだ。
先ほどからイラつきが収まらない。
自分の中でどす黒いものが広がっていくのが分かった。
無意識の内に口角が上がる。