【3Z】犬のように愛し猫のように可愛がる【R18/BL】
第13章 思わぬ落とし穴
どうする?本当の事を言うか?
いや、言えるわけないだろ。
けど言い訳も思いつかない。それに思い付いてもこの人に通用するのか?
「…言え。どこに居たんだ?」
いつもの死んだ魚のような目とは打って変わって真剣な目でこちらを見つめてくる。
全てを見透かすような銀八のその目に冷や汗が流れる。
「それは…」
「坂田先生何をしとるんだね」
空気を壊すように職員室に校長の声が響く。
「…何か用すか?」
明らかにイラついたように銀八は校長を睨み付けながら聞く。
「何か用かじゃないじゃろ!話があるから校長室に来いと言ってあったじゃろーが!」
「そうでしたっけ?忘れてましたね」
「校長との約束堂々と忘れるなよ!今すぐ来いよ!」
それだけ言うと音を立て扉を閉め校長は出て行った。
「チッ…この話はまた後でな」
舌打ち混じりにそう言い銀八も職員室を出て行く。
助かった…
心の底から安堵し椅子に凭れ掛かり。
「けど、完全に怪しまれてるな」
今は何とかなったが、あの様子だと安心は出来ない。
しかも相手が悪過ぎる。あの人は勘が鋭いところがあるから。
「どうすりゃいいんだ…」
八雲は一人職員室で頭を抱えた。