第1章 ハリー・ポッターと賢者の石
夜風にあたって、自分を冷やす。
「リエル。」
「なあにセブルス。」
無愛想で少し怖そうだけど、本当はとても優しくて、あたたかい人。
「どうかしたのか?」
「ううん。少し、夜風にあたってみたくなって。」
「……大きくなったな。」
セブルスとは本当に時々しか会えない。
ホグワーツの教員であるセブルスはいつも忙しいし、ブラック邸にもあまり来ない。
でも、本当はそれだけじゃなくて、皆があまりセブルスを好きじゃないって言うのが一番の理由らしい。
「まだまだだよ。」
「我輩が会ったのは2年前の誕生日だからな。大きくなったと感じる。」
セブルスはいつも悲しそう。
でも、話してるとたまに笑ってくれる。
「私、強くならなきゃ、ダメだよね。」
「それ以上の強さは必要ないと思うが?」
「ううん。自分の力を抑える強さ。私、セブルスみたいになりたいな。」
セブルスは少し驚いたような顔をした後、まっすぐ前を向いたまま小声で言った。
「……リエルは、我輩のようには決してなるな。」