第3章 ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
タイミングよく、私は暴れ柳に入ることができた。
「シリウス!待って!!目的はロンじゃなくて、そのネズミでしょ?」
ロンを離したシリウスに詰め寄る。
「だが、彼ごと連れてこなければ、ネズミは逃げてしまう。そうだろう?」
「.......そう、だけど....。皆、あなたのことを勘違いしてる。ハリーも。....その誤解を解かなきゃ。」
「リエル!何してんだよ、逃げろ!」
すっかり怯えたロンを見る。
「ロン、そのネズミはね、私が追ってるネズミなの。シリウスを犯罪者に仕立てあげたのは」
「リエル!ロン!」
「ハリー!逃げろ!罠だ!!」
ハリーがシリウスを見る。
目の色が変わった。
「今夜死ぬのはただ一人。」
「それはおまえだっ!!」
ハリーがシリウスに杖を向ける。
「やめてハリー!!シリウスじゃないっ!!!」
「リエル!君は騙されてる!!」
「騙されてないっ!ピーター・ペティグリューは生きてる!!」
ハリーが驚いた顔をした。
「リエル、なんでペティグリューを知ってるの?奴は死んだ。」
「死んでないってば!!」
「エクスペリアムス!」
リーマスが飛び込んできた。
「惨めな格好だなシリウス。内なる恐怖がとうとう肉体にも現れたか?」
「内なる恐怖ならお前も充分知ってるはずだ。」
杖を向けていたリーマスがシリウスから杖を外す。
「ダメよ!信じてたのにっ!先生はその人とグルだったのね?先生は狼人間よ!だから授業を休んでいたの。」