第1章 ハリー・ポッターと賢者の石
それからしばらく昔話に花が咲き、たくさん話を聞いた。
ここに来た当時は誰にも心を開かなかったこと。
セブルスを見て、『悲しい顔してる』って言ったこと。
初めてホウキに乗った時のこと。
猫を追いかけて階段から落ちそうになり、リーマスが助けてくれたこと。
初めてセブルスと決闘をしたこと。
たくさん。
でも、私自身が覚えてることは少なくて、驚くものばっかりだった。
「リーマスもどんどん心配症になって、まるで本当の父親みたいになったわ。今ではすっかりお父さんね。」
本当だよね。
私の大切な人。
本物のお父さんは、ジェームズ・ポッター。
今のお父さんは、リーマス。
シリウスはリーマスにも内緒で私と時々話す。
今でも遠くからみまもってくれている。
アズカバンの看守に分からないように、ごくたまに。
話すときは大体が私の部屋。
シリウスが飼っているフクロウにシリウスが乗り移って話をする。
今日はその日。
大体、お誕生日に。
あとは私の身に危険が及んだとシリウスが気づいたとき。
「じゃあ、おやすみなさい。」