第1章 ハリー・ポッターと賢者の石
「やはり、そうじゃったか......。」
アルバスは少し顔をしかめる。
リーマスは料理をする手を止め、私の方に来た。
「リーマス、ちょいとよいかの?」
リーマスはアルバスと部屋の外に出ていく。
「大丈夫よ。」
ドーラは料理をテーブルに置き、私の方に来てくれた。
「小さい時も、よく怖い夢を見たんだ。....あれは、昔の記憶だったのかも、だけど。」
「どんな夢だったの?」
「.....へへ、覚えてないんだけどね。」
アルバスとリーマスが戻ってきた。
「じゃあ、わしは行くとするかの。リエル、また二学期に。」
「うん、またねアルバス。」
アルバスがいなくなり、料理が並べられた食卓に座る。
「じゃあ食べようか。」
今日の夕飯はスパゲッティとサラダとスープ。
すごく美味しい。
....リーマスは、アルバスに何を言われたんだろう?
聞いてもきっと教えてくれない。
教える気があるなら、聞く前に言ってくれてる。
夜、ベッドに入ると、リーマスが部屋に来た。
「リエル、小さい時も怖い夢を見たことがあるんだって?」
「うん。」
「どんな夢だった?」
「覚えてないよ。」
「本当だね?」
「.......ううん。覚えてる。お母さんが私とハリーを両腕に抱きかかえて、お父さんは笑顔でお母さんの肩に手を置いていた。....私がパトローナスを使うときに思い出す幸せな記憶は、これだよ。」
「昔の記憶なのか?どうして怖い夢なんだ?」
「そうかもしれない。でも、夢でも、夢じゃなくても、私にとって、唯一覚えてるお母さんとお父さんなの。幸せすぎて、思い出す度に怖くなるんだ。」