第8章 ハリー・ポッターと死の秘宝Part2
「でもさ、演技がすごすぎて少しびっくりしたよ。少しだけ。」
ロンが苦笑いをしながら言った。
「ヴォルデモートは私の力を欲しがっていた。だから、私はすぐに仲間に入ることが出来た。」
「スネイプは、結局味方だったんだね。」
「昔から私とハリーを守ってくれていた。初めて出場したクディッチの試合も、セブルスは私とハリーを守ることに必死だったの。」
「リエルが2歳の時、デスイーターに家族を襲われたって言ってたよね。」
「うん。その時、私を殺そうとしたデスイーターが誰かに殺された。……まさか。」
ハリーが頷く。
「憂いの篩で見たんだ。スネイプがリエルを守っていた。」
「なんか、やるせないよな。結局いい奴だったなんて……。」
ロンの言葉にハリーも頷いた。
「でもこれで終わったんだ。」
「やっと、だね。」
「そういえばリエル、そのネックレスはシリウスの?」
「うん。デスイーターのフリをしている時も、これだけは肌身離さず持っていたんだ。」
「マクゴナガル先生は、それをつけてるリエルを見て敵ではないと確信したって言ってたよ。」
ロンの言葉に少し驚いた。
「マクゴナガル先生は、私を敵と思っていると思ってた。」
「昔から勘が鋭いんだよな。まぁそれも、次のホグワーツの校長だから当たり前か。」
続けるロンの言葉にさらに驚いた。
「ホグワーツは復活するの?」
「するさ。ダンブルドアの遺言らしい。」
「そうよ。ダンブルドアは私に約束していたの。マグルも純血の魔法族も関係なく、魔法を学ぶことが出来る学び舎にするってね。」
ハーマイオニーの言葉に頷いた。
「戻ろうか。」
3人が城に戻る姿を眺めたあと、ふと空を見上げる。
『よく頑張ったわね、リエル。』
母さんの声が聞こえた気がした。
まさか、そう思って歩き出すと、次は父さんの声だった。
『リエル、よく頑張った。』
そんな、まさか……。
『私はずっと見守っているよリエル。』
シリウスの声が聞こえたような気がした。
『見守っている。永遠に。』
更にはセブルスの声も聞こえたような気がした。
『立派だったよ、リエル。』
リーマスの声まで。
「……私、皆の想いを守れたかな。」
答えはなかった。