第8章 ハリー・ポッターと死の秘宝Part2
身体の感覚がない。
崩れ落ちているのではないか?
そんな感覚のまま森を歩いていた。
誰も守れなかった。
セブルスも、リーマスも。
みんな死んでいく。
それでも、私にはまだやることがある。
みんなが守りたかったものを守ること。
最後の希望はハリーだけなのだ。
ヴォルデモートが待つ森の中で、私はヴォルデモートの隣に配置された。
「今夜、決着が着く。リエル、お前はもう何も奪われない。」
そうさ。奪われない。
もう奪われるものがないんだよ。
全て奪われたのだから。
「ハリーを殺し、俺様は今夜魔法界の王になる。」
ヴォルデモートは、ハリーを殺したあとでいずれ私のことも殺すつもりだろう。
ハリーは、死なない。
ヴォルデモートの攻撃では、ハリーは絶対に死なない。
そんなこともわかっていないのか。
笑いそうになるのを堪える。
終わるのはお前だ。
ハリーが森に現れた。
「ハリー!なんできた!」
ハグリッドが叫ぶ。
「アバダケタブラ!」
興奮気味にヴォルデモートが叫ぶ。
ヴォルデモートもハリーも倒れた。
ハリーはやはり生きていた。
それでも、ナルシッサ・マルフォイは堂々と嘘をつく。
「死んだ。」
この人は、敵ではなかったのだ。
恐怖ゆえに従っていた。
ドラコが心配でたまらないのだろう。
この人も、人の親だ。
ハグリッドがハリーを抱きかかえた。
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