第8章 ハリー・ポッターと死の秘宝Part2
動けるようになったのはしばらく経ってからだった。
急いでヴォルデモートの気配の方へ向かう。
ヴォルデモートと入れ違いで船着き場に着いた。
「セブルス……!」
「リエル……。」
血を流すセブルスがいた。
あぁ、また失う……。
「すまない……。1人にさせて……しまう……。」
「セブルス!セブルスセブルス!いやだ!死なないで……あなたを守りたかっただけなのに……どうして……。」
「これを取ってくれ……。」
セブルスが涙を指さし、それを小瓶にとる。
「愛している……永遠に……。」
「いや……!」
冷たくなっていくセブルスを、しばらく抱きしめていた。
少しして、ハリーの気配を近くに感じた。
涙をふいて立ち上がる。
「……これを、憂いの篩へ。」
「リエル、どうして敵のフリをするんだ!」
「私は、この世に希望なんか見いだせない。」
「……リエル、聞いて。……リーマスが死んだわ。」
ハーマイオニーの声を聞き、膝から崩れ落ちそうになるのを必死にこらえた。
やっぱり、運命なんて変わらないじゃないか。
リーマスもセブルスも死んだ。私の育て親たちはみんな死んだ。
姿くらましをして3人の前から消えた。