第8章 ハリー・ポッターと死の秘宝Part2
姿くらましをした先は森の中だった。
「リエル、別れだ。お前は元の場所に戻れ。」
「嫌だ。セブルスが死のうとすることをやめない限り、私はあなたのそばに居る。」
「我輩は充分生きた。昔、一番守りたいものを失い、その日から新しく守りたいものができた。それがお前だリエル。」
「違うでしょセブルス。私と、ハリー。でもねセブルス、私はヴォルデモートと深い絆で結ばれている。分霊箱が破壊される度、強い怒りや痛みを感じてきた。ヴォルデモートが死ねば、私も死ぬ。ハリーを生かすためには、私が死ぬしかない。」
セブルスは私を抱き寄せた。
「お前は生きのびる。」
「セブルス、あなたを失いたくないの。ごめんなさい。」
杖をふる。
セブルスに失神呪文をあてた。
いや、当たっていなかった。
セブルスは私の首後ろを強く叩いた。
失神しそうになるのをなんとか堪える。
「我輩は、二度と大切なものを失わない。」
「わ……わたし……」
「しばらくは動けまい。」
「まっ……ま…っ…て……」
セブルスは私を強く抱きしめるとすぐに離れ、姿くらましをした。
動け……動け動け……