第7章 ハリー・ポッターと死の秘宝Part1
闇の魔術に対する防衛術では、様々な攻撃呪文を教えこんだ。
ヴォルデモートは絶対的な戦力を求めていた。
そのために、ホグワーツを強化学校とするつもりだ。
対人訓練と称して生徒同士を闘わせた。
やがてリエルは本当にデスイーターになったという話が流れ始めた。
そうだ。
私はもうデスイーターだ。
ネビルの言う、強くて優しかった私はもう死んだ。
強さだけがものをいう世界で、私は強さだけを武器に生きることにした。
「リエル、来い。」
セブルスに腕を引っ張られて連れてこられたのは、校長室だった。
「何するの。」
「選べ。今すぐここから逃げるか、我輩に殺されるか。」
「あなたに私は殺せない。私はあなたより強いから。ここから逃げる?どうしてそんなことを。あなたは勘違いをしてる。私は自分の意思でここにいる。ヴォルデモートに仕えているのは、紛れもない私の意思だ。」
セブルスは、しつこかった。
私をずっと疑いの目で見ている。
ヴォルデモートより誰よりも手強い。
「……。」
何も言えないと言った顔で、セブルスは前と同じように私を抱きしめる。
私も抵抗をせずにその腕に収まった。
「……セブルス、私がもし失敗したら、あなたが殺して。」
抱きしめ合いながら、小声で囁く。
「誰かに奪われるのなら、あなたがいい。」
「リエル……。」
強く抱きしめるその力に、私は身を委ねていた。
本当に長い時間抱きしめ合っていた。
きっとお互い、疲れていた。
抱きしめあったまま、ただお互いの温もりだけを感じていた。
態度が、表情が、どれだけ冷たくても温かかった。