第6章 ハリー・ポッターと謎のプリンス
予定よりずっと早くホグワーツに戻った。
今日はハリーとアルバスが分霊箱を探しに出ている。
私はセブルスに呼ばれていた。
「薬草の整理?」
「そうだ。」
様子がおかしいと感じた。
そんなこと、今までに一度も頼まれたことは無かった。
従う素振りを見せつつ、注意深くセブルスを見た。
「何か話があるの?」
「ない。」
「……セブルス、何をしようとしているの?」
「何も。」
極端に口数が少ない。
様子がおかしいのは明らかだった。
少しして、短い頭痛が走った。
嫌な気配がする。
前にも感じたことがある気配だった。
「……デスイーター?」
ホグワーツにデスイーターがいる……?
アルバスが危ない……!
セブルスの部屋を出ようとすると、セブルスが立ちはだかった。
「……どういうこと?」
「この部屋から出すことは出来ない。」
「どうして?」
「どうしても、だ。」
「もう、守られたくない。どいてセブルス。」
「断る。」
「ドラコはアルバスを殺そうとしている。そして、アルバスはそれを知った上で殺されようとしている。セブルスは、きっとドラコの代わりにアルバスを殺すのでしょう?」
「……違う。」
「騎士団を裏切ったと見せかけて、あなたは最後までヴォルデモートのそばに居ながらみんなを守る……。もうそんなセブルスは見たくない!セブルスが誰かのために死ぬなんて絶対嫌だよ!最後まで生きてよ……なんで……。」
涙が出てしまう。
それでも強い目でセブルスを睨む。
「我輩は、お前の敵だ。」
「そんな嘘、通じないよ。昔からずっとあなたを見てきたんだから。……本当にヴォルデモートの仲間なら、とっくに私をヴォルデモートに差し出しているはずでしょう。でもこうして守ってる。」