• テキストサイズ

ハリー・ポッター もう一つの物語

第6章 ハリー・ポッターと謎のプリンス




すぐに休暇が訪れた。

私は一度、騎士団本部に戻り、それからジョージと会った。


「リエル!」


笑顔で走ってくるジョージは、私をしっかり抱きしめた。

「ジョージ、会いたかった。」

「俺もだよリエル。あぁ、すごく嬉しいよ。」


しばらくそうしていた。
やがて体を離すと手を繋いで歩き始める。

「あのね、ジョージ。話があるの。」

「どうした?」

「……会うのは、今日きり。」

「え?どういう意味?」

「ごめんなさいジョージ。心の底からあなたを大切だと思った。だから、だからこそあなたのそばにいることは出来ない……。」

「どうしたんだリエル……。泣かないで。ゆっくり話そう。」

「オブリビエイト」


オブリビエイトは、忘却呪文だ。
強弱によって記憶の一部を消すことができる。

ジョージから、私に対する想いの記憶を消した。


「あれ?リエル!……あれ、何の話をしていたんだっけ?」

「ううん、偶然会ったの。私、もう行かなくちゃ。またね!」


どうか、元気で。

どうか生きていてね……。
そう強く思わずにはいられなかった。


目を腫らして騎士団本部に戻ると、リーマスが驚いた顔をしていた。

「リエル、何があったんだい?」

「リーマス……。」


あぁ、大切にしたい。
皆に生きていてほしい。

そのために、私と関わってはいけない。


「何でもないの。ちょっとジョージと喧嘩をしてしまって。もう寝るね。おやすみなさい。」


リーマスが口を開く前に部屋に戻った。

シリウス、教えて。
私のせいで皆死んでいく。
どうしたらいいのか分からないの。

魔法の力が強いだけでは、誰も守れない……。




/ 207ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp